HOUSEHOLD DEBT AND CREDIT REPORT (Q1 2024)
家計債務は基本的に増加傾向がずっと続いており、10年前にくらべて約1.5倍の残高となっています。
大部分は住宅ローンが占めているものですが、ここではクレジットカード債務について見ていきます。
クレジットカード債務は直近で約1.1兆ドルの残高となっており、既往ピークを更新した前四半期に次ぐ高い水準です。
家計債務は住宅ローン・自動車ローン・学生ローン・クレジットカードで主に構成され、前3者は債務の9割を占める一方、クレジットカードは全債務の6%となっています。
使用目的が明確な前3者の債務と異なりクレジットカードは目的が制限されていないことから、生活が苦しくなるとクレジットカード債務残高が増加する傾向にあります。
足元の経済環境を考慮すれば、物価高が家計を圧迫していることからクレジットカードの利用が増えていることがクレジットカード債務残高が前四半期にピークをつけた理由と考えられます。
今四半期は若干減少しましたが、家計もさらに借り入れを増やすほど圧迫されているわけではないと見ていいのでしょうか。
連銀報告を見ると、クレジットカード延滞率はコロナ禍で一旦落ち着いていたものの、過去2年間で上昇を続けており、13年ぶりの高水準となっています。
13年ぶりということはリーマンショックに端を発する金融危機で延滞率が高くなっていた時期に相当します。
延滞者は低所得層に多く、また借入枠の利用度が高い債務者に多いということですから、一時的な借り入れというよりは恒常的に支出が収入を上回っている状態と考えられます。
また、20-30代の若年層が主体ということですが、収入が他の年齢層よりも相対的に低いことや、借入枠が相対的に小さいことが原因と考えられます。
つまり、低所得層や若年層が物価高で苦しんでいる状況をこれらのデータが映しているものと言えます。
経済に対して直ちに何らかの悪影響を与えるような状況ではありませんが、この傾向が今後も進展するようであれば、他の家計債務にも拡大していくと考えられ、景気に対するブレーキとなる可能性があります。
また、これらデータが生活苦に陥っている家計が増えていることを表しているのであれば、この傾向が続くことは大統領選にも影響を与える可能性があり、さらに進めば社会不安増大の要因ともなりえます。


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