Iranian president Ebrahim Raisi dies in helicopter crash
搭乗していたヘリコプターは1979年の革命前に導入されたものと古く、米国の経済制裁の影響で機種の更新や整備が十分に出来ていなかったことや、現地の気象状況が濃霧等で旧式のヘリコプターが飛ぶにはリスクが高いものであったことから、墜落事故を招いたものと見られています。
一方、大統領を狙った暗殺ではないかと見る向きもあります。
政府要人に何かあれば可能性を疑うのは当然ですし、イスラエルや米国と対立している当事国の指導者ですから、陰謀論を創出しやすい状況でもあります。
しかし、結論から言えば、暗殺である可能性は低いです。
なぜならばライシ大統領を暗殺しても利益を得る当事者がいないからです。
ライシ大統領は保守強硬派として知られ、一見すると国内外の対立勢力にとって邪魔な存在に映ります。
しかし、イランの大統領は、米国等の大統領とは異なり、外交等の方針を決定する意思決定権者ではありません。
イランでは宗教指導者が国の実質的なトップであり、大統領はその宗教指導者の下にいる信者の一人にすぎません。
つまり、大統領を暗殺しても国の体制が揺らいだり、国の方針が変更となったりすることはなく、対立勢力にとって何らかの政治目的を達成できるわけではないため、実行する合理性がありません。
ライシ大統領は次期宗教指導者候補であったと見る向きがあり、そうであればライバル候補により暗殺されたというシナリオが浮上してきます。
次期候補であったとする根拠に乏しいため、このシナリオの妥当性には疑問符がつくのですが、このシナリオならばライシ大統領本人を排除することが目的となるため実行する合理性が出てきます。
暗殺の可能性は低いですが、仮にそうであったとしてもイランの国としての方針を変更させるような事案ではないため、中東情勢に大きな変化はないと見ていいでしょう。


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